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大学生活の費用〜下宿編〜 ファイナンシャルプランナー 當舎 緑

質問:娘が国立大学に合格しましたが、遠くてとても通えませんので、一人暮らしをすることになりました。毎月、いくらくらいの仕送りをすればいいのでしょうか?

回答:不景気のあおりをうけ、国公立の人気が復活してきています。ただ、学費が安いといっても、生活費の仕送りを高くすると、「これなら、近くの私立に行かせたほうが安かった」ということにもなりかねません。下宿するのは仕方ないにしても、無理のない範囲で、仕送りをしたいものですね。

平成22年度学生生活調査によると、国立で下宿生活の方は約170万円、公立で下宿の方は約164万円、私立で下宿の方は約240万円生活費がかかっています。その中には、学費が含まれていますので、国公立であれば年間100万円ほど、私立であれば、少し高めの110万円ほどを仕送りのお金と考えていいでしょう。ただ、もっと少ない額しか仕送りできないというケースもあるでしょう。仕送りをいくらにして、あとは、奨学金を借りるか、それとも、アルバイトをさせるか、親子でじっくりと話し合ってください。

入学時にすぐしたいこと

イメージ遠くの大学に合格してすぐにやることは、新居探しです。遠くからそう何度も足を運ぶわけにはいきませんので、大学の生協や大学近くの不動産屋さんに足を運んで、いい物件が見つかったら即決するくらいの勢いが必要になるでしょう。女の子であれば、防犯を考えてオートロックなど設備のいいものを高望みすると、費用も当然高くなりますので注意しましょう。

最初のうちは、学生寮という選択肢も入れてはいかがでしょうか。費用も安価にすみます。最近では、不動産管理会社各社が、学生寮の運営・管理を拡充してきています。大学の学生課がキャンパス近くに寮の開業を求めるケースや、直営の寮を拡充するケースも出てきています。

大学在学中の帰省費用

遠くの大学に行ってしまうと、そう何度も帰省するわけにはいきません。アルバイトをして、好きな時に帰ってきなさいということも言えるでしょうが、お金のあるときに帰ってくるということになると、大学4年間ずっと帰ってこないこともあり得ます。帰省の費用が親持ちとなることは珍しくはありません。

更に費用がかかるかも?!

厚生労働省から発表された、2012年春の大学生の就職内定率は71.9%。就職できない場合、大学院を受験することもありえますので、大学院に行った場合の生活費にも触れておきましょう。

イメージ平成22年の文部科学省の学生生活調査では、大学生と大学院生の生活費は平成12年度をピークに減り続けていますが、急に子どもから「大学院に行きたい」という言葉が出ると、親にとってはかなりの出費を覚悟しなければなりません。

就職できないから、仕方なく大学院に進学すると、年間約170万円の費用が更にかかることになります。ただ、最近、大学院に進学する学生も増えていますので、希望どおりにいくとは限りません。先日、知人のお子さんで「院に受からなければ、院浪人をする」と、親に宣言したお子さんがいらっしゃいました。その場合も、聴講生として学校に在籍を希望されていましたので、学費自体は多少安くなるとしても、生活費そのものが減ることはありません。院に受かるための期間ですので、親からすると「アルバイトをして稼ぎなさい」とはとても言えないでしょう。大学入学時に、4年で卒業するのか、院までいくのか、入学時には無理でも、折につけ、話し合っておくといいですね。

就職はどこでするかも大きなポイント

一旦、大学生活で自宅を出てしまうと、今さら自宅に戻るのは面倒だと考えるか、それともやはり故郷で就職したいと考えるのかはそれぞれですが、不景気のあおりを受けて学生が内定を勝ち取るのは難しくなっており、自分の希望しない勤務地でも「やむを得ず」就職することも多くなってきました。そのため就活の範囲も、広範囲にならざるを得ません。交通費はかなりの負担になることが考えられます。交通費を節約するために、夜間の高速バスを使うということもあります。ただ、女の子は危ないという親の考え方で、少しグレードを上げた交通機関を選ぶこともあるでしょう。

その他、スーツ、カバン、靴など一式を親が揃えてあげるということも、覚悟しておきましょう。親が、社会人になるお祝い代わりに、すべてを負担するという考え方もあるでしょうが、きりがありません。次は結婚費用の援助と延々と子どもに関する費用を求められるケースもあります。子どもには、これは出すけど、これは後で返してという限度をきっちりと話しておくことをお勧めします。

いかがでしょうか。学生生活を、自宅編、下宿編と二回にわたってお話しましたが、これからも、家計の状況が好転することはあまり考えられません。親としては、学費以外の費用をどうするのか、就職できなかった時どうするのかなど、悩ましいところです。本当に大変な時には、大学で学費の減免や猶予、生活費の給付などさまざまな制度が利用できるところも増えてきました。子どもの教育費が長引くと、親の老後にしわ寄せがいきます。

くれぐれも、子供にとっても親にとってもほどほどの費用を仕送りするという線引きが大事でしょう。

このコラムの執筆者 當舎 緑(マイアドバイザー.jp 登録)
當舎 緑 農学部卒業後、メーカーに勤務中、転職を決意。社会保険労務士資格取得後、阪神淡路大震災を経験し、いろいろな相談に対応できるよう、行政書士、FP資格を取得。資格取得講座や一般消費者向けのセミナー、職業訓練の講師、個人相談や執筆、監修業務など幅広くこなしている。
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